Waku2 as Life

Activities活動実績

2023-10-22

共創デザインMeetup! vol.2 @京都(一部ハイブリッド)開催

2023年10月21~22日に、京都NINIROOM下鴨ロンドで「共創デザインMeetup!vol.2」を開催しました。

共創デザインMeetup!は、共創を試行錯誤している方々が集まり、最新の活動を学び合い、どう効果的に共創すると良いのか知恵を結集する場です。多様な立場(アカデミアと実務家)が出会い、共創を効果的に進めるための方法論をつくり、一般化させて広く普及していくことを目指します。

vol. 1 開催報告:http://waku2life.jp/activities/codesign-meetup/

【テーマ】「探究のコミュニティの未来」

「探究」を通して、人は物事を捉える「枠組み」を更新していきます。そこでは、アイデアを表現し、それに対する周囲からの応答を受け取り、自らの枠組みを反省するという、対話的なプロセスが欠かせません。だから探究は「コミュニティ」によってなされると言えます。

「探究のコミュニティ」の未来のあり方を構想しようというのが今回のテーマです。

探究のコミュニティとして大学や学会や研究会という形があります。しかし探究は、なにも学術的で専門的な研究に限られません。特に物事を新しく生み出す「デザイン」においては「価値」に関わる美学的・倫理学的な探究がなされますが、それは専門性の壁を横断したものとならざるをえません。異なる分野の専門家ということだけではなく、確立された分野の専門家ではない人、子どもや老人、あるいは動植物や無生物などからなる、異種混交的な「探究のコミュニティの未来」がありえます。既存の制度から離れて「探究のコミュニティ」の可能性を探索するためのアプローチとして「物語」や「フィクション」に注目します。

第Ⅰ部では「探究のコミュニティ」にかかわる物語を集めながら京都の町を歩きます。

第Ⅱ部は、「探究のコミュニティ」にかかわる実践家からの話題提供です。

第Ⅲ部では「探究のコミュニティの未来」についてのSF(サイエンス・フィクション)をつくります。

オープニング

第I部

第Ⅰ部は、「京都の街を歩きながら、探究のコミュニティのヒントを拾う」というテーマで、10月21日13:00から、NINIROOMを中心に活動しました。

架空の人物になりきって、まちを探索し、自分とは異なる他者の目線でまちを読み取る実験的なコンテンツとなっていました。

参加者各自に渡されたペルソナ紹介シートとまち歩き用のマップをもとに、思い思いに散策します。要所要所で、音声コンテンツによるナビゲートがあり、主人公になりきるための語りを聞きながら、まちの風景と心情を重ねていきます。

各自、散策が終わり、戻ってきてからは、それぞれがどのような体験をしてきたのかをグループで共有しました。マップ上に自分の気付きや発見を可視化し、新たなまちの魅力を浮き彫りにしていきました。選択したペルソナになりきるからこそ見えてくる、人とまちの物語がシンクロする新しい試みでした。

第II部

続いて、16時から同じくNINIROOMにて、【ワク湧くworkの集い】として「探究のコミュニティ」に関わる研究者・実践家4名の方からの話題提供を行いました。

話題提供者① 事業構想大学院大学 田中利和さん(エチオタビ)

話題提供者② 合同会社むげん学舎 千葉依里さん(可能性を引き出す多角的なかかわり)

話題提供者③ 同志社中学 古城郷さん(学びプロジェクト) 

話題提供者④ 東京大学 柳澤秀吉さん(感情と探究)

田中さんからは、ご自身が活動されているエチオピアでのフィールドワークを通じて発見したソリューション「エチオタビ」を紹介されました。

第III部

2日目の第Ⅲ部は、下鴨ロンドに場所を移し、「探究のコミュニティの未来」についてのSF(サイエンス・フィクション)を行いました。

下鴨ロンドは、下鴨神社近くの閑静な住宅街の中にある、様々な分野の人が集う場ということで、今回山口さんのご紹介より、お邪魔をさせて頂きました。

まずは、話題提供として、①下鴨ロンド 本間智希さんより「開かれた在野のコモンズ:下鴨ロンドについて」ご講演を頂きました。

また②合同会社プロジェクトノード 山田哲也さんより「SFとは?伊藤計劃以前/以後」をご講演を頂きました。

本間さんの下鴨ロンドというコミュニティへの想いと価値を感じ、山田さんのSFへの愛とSFの可能性を感じ共有したところで、

③武蔵野美術大学 山口純さんによるワークショップ「21世紀中期のカルサン無尽」を行いました。

ワークショップは3つのグループに分かれ、SFプロトタイピングなるものを行いました。
参加者の各々の視点で、未来がどうなっているか、登場人物などの設定を自由に発想し、ストーリーを作り、参加者同士で語ってみるという体験は、普段使っていない部分の頭・思想を使っているな〜と感じる非常に新鮮なものでした。

 最後に、山口さんが語る、「探求のコミュニティ」の解釈、 「こうではないのか」とか「こういうのが良いのではないか」というアイデアを表現して、それにたいして周囲からフィードバックをもらうという循環があってはじめて、自分の世界観や価値観を展開していくことができる(=探究)。 探究はひとりだけではできず、そのような関係性が必要(=探究のコミュニティ)。(参考:「お金のために働く必要がなくなったら、何をしますか?」)。今回の共創デザインMeetup!は、まさにこれを具体化したようなものであったと感じました。